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痙縮(手足のつっぱり)に有効なボツリヌス療法のご紹介

当院は、脳卒中後痙縮(手足のつっぱり)の早期発見、早期治療による患者様の生活の質の向上に取り組んでいます。
取り組みの一環として、患者様に痙縮(つっぱり)の勉強会(=土曜塾)を行っています。
個別に説明した動画スライドもあります。
詳しくはページの最下部を参照下さい。

「痙縮」(手足のつっぱり)とは?

脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の一つに痙縮という症状があります。
痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう状態のことです。
痙縮では、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足首が内側を向いているなどの症状がみられます。
脳卒中発症後、3ヶ月の時点で19%、発症後1年の時点では39%の方に、痙縮の症状が出現すると言われています。
痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。
また、痙縮がリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮に対する治療が必要となります。

ボツリヌス療法とは?

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌の作り出す天然たんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を、筋肉内に注射する治療法です。
ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があるため、注射した筋肉の緊張をやわらげる効果があります。
また局所投与のため全身性の副作用はほとんどみられません。効果は通常3~4か月持続し、徐々に消失します。

どのような診療・治療を行うのですか?

まず「痙縮の程度」「日常生活動作で困っていること」「治療を受けられるかどうかの判断」など診察を行い、ボツリヌス治療による目標の設定を行います。
ボツリヌス療法が有効と判断されれば投与日を予約していきます。投与ではつっぱりのある筋肉に薬剤を注射します。
当院では、理学療法士・作業療法士と医師が連携して投与する筋の決定を行っていきます。
投与後は、リハビリテーションを併用し、関節可動域訓練、運動療法、物理療法、装具療法等を行います。
これらの治療はそれぞれ痙縮を和らげる効果がありますが、より効果的に治療を行うためにはボツリヌス療法などを併用することが大事です。

ボツリヌス療法の効果

治療による副作用や痛みはないのでしょうか?

上半身の病気に効く「星状神経節ブロック」の場合、出血、気胸、感染等がありますが、専門医が治療を行えば、出血や気胸が起こる確率は少なくなります。
しかし、「抗凝固剤(血をサラサラにする薬)」を飲んでいる場合は、必ず医師に伝えましょう。
抗凝固剤を飲んでいると、血が止まりにくく、血のかたまりができたり、出血の可能性があるからです。
この他にも治療の方法、部位により副作用が変わってきますので、治療の際には事前に医師より説明を行います。
当院では、注射針による痛みを緩和してスムーズな治療が可能となるよう痛み止めの塗布を行っております。
ボツリヌスを投与する筋肉の場所に局所麻酔効果のある外用クリーム剤エムラクリームを塗布することで
注射による疼痛のストレスなく治療を受けることができます。

ご紹介くださる医療機関の先生方へ

患者様をご紹介いただく際には、下記の紹介状に必要事項を記載し、患者様へお渡しください。

ボツリヌス療法を考えたいと思われる方は、ご相談ください

土曜塾スライド動画

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